SAS®認定プロフェッショナル SAS Base Programmer for SAS®9 の話

2015年2月に受験し、合格した SAS Base Programmer の話です。※ 主観が多く含まれています。また、試験範囲や、各値段は、バージョンアップや円安円高などで変わることがあるかと思いますので、ご注意ください。


筆者のSAS経験値

2015年2月時点で、SASを使い始めて10ヵ月くらいでした。

統計解析とかほとんどやらないデータマエショリストです。


どんな資格?

SAS社が行なっているベンダー認定資格です。テストセンターで受験することができるので、いつでも受けることが出来ます。試験会場によっては、予約が埋まりやすいので、早めに(1ヵ月以上前?)に、予約しておくと良いです。試験に不合格になると、14日間受験できません。同じ試験に受けられる回数は、年間5回と決まっています。受験料が18000円(税抜)なので、できれば、一発で受かりたいところです。


試験範囲

2015年5月現在、SAS公式サイトでは、以下のように記載されています。

この認定の取得にはSAS®9を使用したプログラミングとデータ管理の経験が必要で、以下を行える必要があります:
 ・生データファイルのインポートとエクスポート
 ・データの加工と変換
 ・SASデータセットの組み合わせ
 ・SASプロシジャを使用した基本的な詳細レポートと要約レポートの作成
 ・データエラー、構文エラー、論理エラーの識別と修正
SAS®認定プロフェッショナル SAS Base Programmer for SAS®9

マクロや、SQL、統計解析(基本統計量除く)といった分野は出ず、データの読み書き、加工、出力などの基本的なところが試験範囲です。SAS経験者で、複雑な生データ(固定長、可変長ファイル)をよく扱う方ならば、試験範囲をそれなりに網羅しているかと思います。しかし、やはり普段使わないような機能も多くあるので、勉強ゼロで受かるのはかなり難しいと思います。普段使っているプロシージャやステートメントでも、こんなオプションや使い方があったのか、ということが何度もありました。

また、個人的に問題文がなかなか癖のある文章だったので、文章にも慣れないと難しいと思いました。


勉強方法・勉強時間

  1. SAS 認定プロフェッショナルのためのBase Programming for SASR9 完全ガイド 第1版
  2. Study SAS

基本的に、公式マニュアルの章末問題を解いて、分からなかったら本文を読むようにしていました。前述の通り、個人的に試験の問題文章が癖のある文章だったので、マニュアルで慣れておいて良かったと思っています。通勤時は、オライリーの本よりも分厚いマニュアルを持って勉強できなかったので、スマホで Study SAS の練習問題を解いて勉強しました。スマホやPCで練習問題ができる日本語のサイトがもっと増えればいいのに。

日本語のマニュアルは高いですが、Amazonで売っている kindle英語版のマニュアルだと安く買えます(2015年5月4日時点で、8,211円)。英語読めるならばお勧めです。

ちなみに、日本語の公式マニュアルは第1版で勉強しましたが、2015年3月30日に第2版が出ています。(第1版は誤字脱字が多かったので、直っていたらいいな)

活用はしませんでしたが、SAS社のサイト(英語)にてマニュアルのサンプルデータが取得できます。「Sample Data」のリンクにて取得できます。経験者の方はまずサンプルデータを見てから、マニュアルを買うかどうかを検討してみても良いかもしれません。

勉強時間は、10時間強くらい。週末2,3時間くらい、通勤時30分くらいです。自分の周りで、同じくらいの勉強時間で受かった人もいれば、そうでない人もいたので、ご参考までに。

SAS社から、模擬試験が売っていますが、7,560円(税込)というなかなかのお値段なので模擬試験はやりませんでした。模擬試験では、50問の模擬試験を実施することが出来ます。マニュアルの章末問題だけでもいいですが、マニュアルに1,2行しか書いていないような問題も試験では出てくるので、SAS経験がない、経験が浅い、試験に緊張しやすい方は受験した方が良いかもしれません。


受験結果

スコア:72% (合格スコア:70%)

ギリギリの合格でした。そんな mergeステートメントの書き方したことないよ、とか、こんなのマニュアルのどこに書いてあるんや!みたいな問題も出てきて、苦戦しました。マニュアルを読み直すと少しだけ書いてはありました…。流し読みばかりで、2,3行くらいしか書いていないようなところまで熟読していなかったのが、苦戦の原因のひとつですね。

マニュアルの章立て通り均一に問題が出た印象です。ランダム要素があると思うので、人によって出ない問題があったり偏りがあるかもしれません。


終わり

個人的に勉強は、公式マニュアルで良いかと思います。値段は高く分厚く大きい本ですが、日本語で、PDV(プログラムデータベクトル)の話が出る数少ない(唯一??)の書籍なので、試験に関係なくSASの勉強になります。ただ、マニュアルにほとんど記載のない内容も試験に出たりするので、記載内容が薄い箇所は、SAS雲丹(SAS University Edition)とかで実際に書いて動かしてみると良いかもです。マニュアルは200問以上の問題がありますが、全てを網羅してはいないので、心配であれば模擬試験を受けるのも良いかと思います。また、英語が読めるのであれば、SASの問題を載せているサイトやスマホアプリ等もありましたので、そういったものも探して活用するとなお良いかと思います。

日本語での SAS の資格の情報が少ないので、個人的な感想やら色々と書いてみました。参考にならない部分もあるかと思いますが、何かしらの参考、足しになれば幸いです。



参考サイト

  1. SAS®グローバル認定プログラム_SASの資格の話 / データステップ100万回 SAS新手一生


2016年4月26日に、Base の次の資格である SAS®認定プロフェッショナル SAS Advanced Programmer for SAS®9 の話を掲載しました。


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